核酸医薬品(アンチセンス)のオフターゲット効果に関する論文が Genes to Cells 誌に掲載されました
2019. 11. 13 /
当センターの内藤雄樹特任助教が参加する、国立医薬品食品衛生研究所 井上貴雄室長、吉田徳幸主任研究官らの研究グループによる論文 “Evaluation of off‐target effects of gapmer antisense oligonucleotides using human cells” がGenes to Cells誌に掲載されました。 論文はオープンアクセスで、下記URLからご覧いただけます。
https://doi.org/10.1111/gtc.12730
アンチセンスやsiRNAをはじめとする核酸医薬品は、従来の医薬品では狙えなかったRNAを創薬ターゲットとすることが可能であり、これまで治療の難しかった疾患に対する新しい治療手段として注目されています。一方、核酸医薬品が本来の標的とは無関係な塩基配列に結合することによって望まない影響を与えてしまう「オフターゲット効果」とよばれる現象が、核酸医薬品の開発や評価における課題のひとつとなっています。本研究では、RNAを切断・分解する作用を有するギャップマー型アンチセンスによるオフターゲット効果の全体像を、塩基配列検索によるインシリコ解析と細胞内RNAの網羅的発現解析によって明らかにし、オフターゲット効果の評価法を提案しています。
DBCLSの公開するGGGenome (https://GGGenome.dbcls.jp/) は短い配列の検索においても正確で漏れがないため、核酸医薬品のオフターゲット候補配列の探索に適しています。本研究においてDBCLSは、GGGenomeを用いた徹底的なオフターゲット候補配列の探索をはじめとするインシリコ解析において貢献しています。