[プレスリリース]低酸素環境下乳がんの浸潤転移を促進する分子を発見した論文がCarcinogenesis誌に掲載されました
2020. 03. 12 /
当センターの坊農 秀雅 特任准教授および小野 浩雅 特任助教が参加する、国立大学法人広島大学原爆放射線医科学研究所 放射線災害医療開発研究分野 谷本圭司 講師らの研究グループによる論文 “GLIS1, a novel hypoxia-inducible transcription factor, promotes breast cancer cell motility via activation of WNT5A” がCarcinogenesis誌に掲載されました。
論文は下記URLからご覧いただけます。
https://doi.org/10.1093/carcin/bgaa010
研究グループは、低酸素環境において活性化して、がん細胞の遊走・浸潤を促進し、放射線抵抗性を促進する分子 GLIS1 を発見しました。低酸素環境にあるがん細胞では、GLIS1量が増えて、様々な遺伝子発現量の調節を行うことが明らかとなり、特に WNT5A というがん細胞の浸潤を促進することが知られている遺伝子を調節することにより、がん細胞の浸潤能力を高めていることを確認しました。 DBCLSは、遺伝子発現解析の基準となる各遺伝子の正常組織、細胞における遺伝子発現量を簡単に検索、閲覧できるウェブツールRefExの活用を中心とした公共データベースを利用したデータ解析において貢献しています。研究グループは、RefExを用いて、低酸素環境で働く他の転写因子に比べて、GLIS1は特に正常細胞における発現量が少ない事を見出し、副作用の少ないがん治療標的となり得る可能性を示しました。
詳細はプレス発表資料(PDF)をご覧ください。