COVID-19診断用プライマー交差性解析システムの整備・公開について
2020. 05. 29 /
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診断用プライマー交差性解析システムの整備・公開に関する資料が国立医薬品食品衛生研究所より公表されました。同システムの整備には当センターの内藤雄樹特任助教が参加し、当センターの提供する高速塩基配列検索ソフトウェア「GGGenome(ゲゲゲノム)」が活用されました。
COVID-19のPCR検査に用いるプライマーやプローブは、常在菌や他のウイルスに由来する核酸配列との交差性を確認することが求められています。ところが、これまで交差性を確認すべき生物種の塩基配列を包括的に含むデータベースは整備されておらず、さらに一般的な塩基配列検索ブログラムによる検索は操作が煩雑なうえ見落としが生じる場合もあり、交差性を適切に評価することが困難でした。今回、国立医薬品食品衛生研究所では、交差性を確認すべき生物種としてWHOおよびFDAのガイダンスに示されたCOVID-19関連生物種のゲノム配列データベースを構築し、それを当センターにおいて GGGenome* で検索できる体制を整備することにより、交差性の確認を正確、迅速、簡便に実施することが可能となりました。同システムは、PCR検査用の新たなプライマー等の設計の高度化・迅速化に貢献します。
詳細は 国立医薬品食品衛生研究所の公表資料 をご覧ください。
図:GGGenomeによるCOVID-19診断用プライマーの交差性解析の例
*GGGenome (https://GGGenome.dbcls.jp/) は短い塩基配列の検索において正確で漏れがないため、PCRのプライマーやプローブの交差性の確認に適しています。