糖鎖、病原体、疾患を統合的に検索できるデータベース構築に関する論文がScientific Data誌に掲載されました
2023. 09. 20 /
当センターの山本 泰智 特任准教授が参加する研究グループによる論文 “Development of an integrated and inferenceable RDF database of glycan, pathogen and disease resources” がScientific Data誌に掲載されました。 論文は下記URLからご覧いただけます。https://doi.org/10.1038/s41597-023-02442-2
糖鎖はウイルスや細菌の感染において重要な役割を担うことが知られています。例えば、SARS-CoV-2ウイルスは糖鎖構造の僅かな変化で進化したことが示されています。しかし、糖鎖、病原体、疾患を統一的に検索できる技術基盤は十分に整備されていません。そこで、本研究では、セマンティックウェブ技術を用いて糖鎖とウイルスの相互作用データなど異種データを意味的に統合するデータベースを構築しました。具体的には、上記相互作用を表現するオントロジーを作成し、化合物などの関連データベースから取得したデータをRDF(Resource Description Framework)を用いて表現しました。関連データベースにはPubChem、SugarBind、PSICQUICが含まれ、UniProtやGlyTouCanのような他の関連RDFデータベースも参照します。 構築したデータベースはオープンデータとして公開し、SPARQLで自由に検索できるほか、GlyCosmos Portal (https://glycosmos.org/) で公開されています。